- 01.はじめに
- 02.この記事でできること
- 03. Excelの文字列関数とは?
- 04. LEFT関数の使い方
- 05. MID関数の使い方
- 06. RIGHT関数の使い方
- 07. 応用編:関数を組み合わせて使うテクニック
- 08. まとめ:目的に応じて関数を使い分けよう
01.はじめに
Excelは業務でもプライベートでも広く使われる便利なツールですが、「文字列の一部だけを取り出したい」と思ったことはありませんか?たとえば、フルネームから名字だけを取り出したり、商品コードから特定の情報だけを抜き出したりする場面です。
そんなときに役立つのが、LEFT・MID・RIGHTという3つの文字列関数です。
これらを使いこなせるようになると、データの整理や抽出作業がグッと楽になります。
この記事では、Excel初心者の方にもわかりやすく、これらの関数の使い方と使い分けを紹介します。実際の使用例を交えながら、実務でも使えるテクニックを丁寧に解説していきます。
02.この記事でできること
- ExcelのLEFT・MID・RIGHT関数の基本的な使い方を理解できる
- それぞれの関数の違いや適切な使い分け方がわかる
- 実際の業務で役立つ関数の組み合わせテクニックが学べる
「文字列の一部だけを抜き出す」という操作は、日々のExcel作業で頻繁に登場します。
本記事を読み終えるころには、文字列関数を自在に使いこなせるようになるでしょう。
03. Excelの文字列関数とは?
文字列関数の基本とは
Excelには数値を扱う関数だけでなく、文字列を操作するための関数も多く用意されています。その中でも特に基礎となるのが、LEFT・MID・RIGHTの3つです。
これらはそれぞれ、「文字列の先頭」「途中」「末尾」から指定した文字数を取り出す関数で、文字列の部分抽出に非常に便利です。
なぜ部分抽出が必要になるのか?
たとえば「山田 太郎」という名前から「山田」だけを取り出したい場合や、「A-001-東京」という商品コードから「001」だけを抽出したいといったケースがあります。
こうした操作を手作業で行うのは手間ですが、関数を使えば大量のデータにも一括で処理できます。
LEFT・MID・RIGHTの役割
- LEFT関数: 文字列の先頭から指定した文字数を取り出す
- MID関数: 文字列の任意の位置から、指定した文字数だけを取り出す
- RIGHT関数: 文字列の末尾から指定した文字数を取り出す
この3つをマスターするだけで、多くの文字列操作がスムーズになります。次の章から、それぞれの使い方を実例を交えて見ていきましょう。
04. LEFT関数の使い方
LEFT関数の基本構文
LEFT関数は、文字列の先頭から指定した数だけ文字を取り出す関数です。基本の構文は以下の通りです。
=LEFT(文字列, 文字数)
例:=LEFT("山田太郎",2)
→ 結果は「山田」
使用例1:名前から名字だけを抽出する
セルA1に「山田太郎」と入力されている場合、名字「山田」だけを取り出すには次のようにします。
=LEFT(A1,2)
日本の名前は通常、名字が2文字のことが多いため、この方法で簡単に名字だけを抽出できます。ただし、名字が1文字や3文字以上の場合は注意が必要です。
使用例2:商品コードの先頭情報を取り出す
たとえば「A-001-東京」という商品コードがセルA2にあるとします。この中から「A」だけを取り出すには次のようにします。
=LEFT(A2,1)
これにより、先頭の識別文字「A」を抽出できます。先頭の記号や区分コードなどを取り出したいときに便利です。
よくあるミスと対処法
- 文字数を間違えて切り出すと、不要な部分まで含まれる
- 全角と半角の違いによって意図しない文字数になることがある
特に日本語では1文字=2バイトの全角文字があるため、文字数カウントには注意が必要です。うまくいかない場合は、対象の文字列をよく確認しましょう。
05. MID関数の使い方
MID関数の基本構文
MID関数は、文字列の任意の位置から、指定した文字数だけを抜き出す関数です。基本の構文は以下の通りです。
=MID(文字列, 開始位置, 文字数)
例:=MID("山田太郎",3,2)
→ 結果は「太郎」
使用例1:文章の中間から文字を取り出す
セルA1に「こんにちは世界」とある場合、「にちは」だけを取り出したいときは次のようにします。
=MID(A1,3,3)
これは3文字目から3文字分を抜き出す操作になります。日本語の場合も1文字ずつ数えて位置を指定すれば、思い通りの文字を取り出せます。
使用例2:IDの中の特定部分だけを抽出する
たとえばセルA2に「AB-123-XY」とある場合、中央の「123」を取り出したいときはこのようにします。
=MID(A2,4,3)
このように、文字列の構造がわかっていれば、必要な部分を正確に取り出せるのがMID関数の強みです。
文字位置の数え方に注意
MID関数では、1文字目を「1」として数えます。先頭から何文字目かをしっかり数えて、開始位置を指定するのがポイントです。
また、半角文字と全角文字が混在する場合、見た目とカウントが一致しないことがあるため注意しましょう。
06. RIGHT関数の使い方
RIGHT関数の基本構文
RIGHT関数は、文字列の末尾から指定した数だけ文字を取り出す関数です。基本の構文は以下の通りです。
=RIGHT(文字列, 文字数)
例:=RIGHT("山田太郎",2)
→ 結果は「太郎」
使用例1:郵便番号の後半を抽出する
たとえばセルA1に「123-4567」とある場合、後半の「4567」だけを取り出したいときは次のようにします。
=RIGHT(A1,4)
これにより、郵便番号の下4桁を簡単に抜き出すことができます。
住所データを扱うときなどに便利です。
使用例2:日付から「日」だけを取り出す
セルA2に「2025年6月26日」とある場合、「26日」の部分を取り出したいときは、次のようにします。
=RIGHT(A2,3)
文字列として日付が入力されている場合には、末尾から「日」を含めて指定の桁数を抜き出すことで、日付部分のみを抽出可能です。
桁数が固定されていない場合の工夫
RIGHT関数は文字数が固定されている場合に最適です。
しかし、桁数が異なる場合には、LEN関数や<FIND関数と組み合わせて柔軟に対応する必要があります。
このような応用については、次章「関数の組み合わせテクニック」で詳しく紹介します。
07. 応用編:関数を組み合わせて使うテクニック
LEFT・RIGHT+LEN関数で柔軟に抽出
LEN関数は文字列の「長さ」を返す関数です。これを使えば、RIGHT関数などと組み合わせて、文字数が可変な文字列にも対応できます。
たとえば、「商品A1234」と「商品B56789」があるとします。末尾の数字だけを抽出したい場合、次のような式が考えられます。
=RIGHT(A1, LEN(A1) - 3)
ここでは、先頭の「商品A」や「商品B」の3文字を除いて、残りの部分(数字)を取り出しています。
FIND関数と組み合わせたMIDの活用例
FIND関数は、指定した文字が文字列の中で何番目にあるかを返します。MID関数と組み合わせると、文字位置が不定なデータからも目的の文字を取り出せます。
たとえば「ID-345-XYZ」という文字列から「345」だけを取り出す場合、次のようにします。
=MID(A1, FIND("-", A1) + 1, FIND("-", A1, FIND("-", A1)+1) - FIND("-", A1) - 1)
この式は、1つ目と2つ目の「-」の間の文字を抽出しています。複雑に見えますが、構造が一定なら非常に強力な方法です。
実務で役立つ組み合わせテクニック3選
- FIND+LEFT: 特定記号の前までを取り出す
- FIND+RIGHT+LEN: 特定記号の後ろを抜き出す
- SUBSTITUTE+MID: 複数出現する文字を制御して抽出
実際の業務では、1つの関数だけでは対応できない場面も多くあります。複数の関数を組み合わせて柔軟に対応できるようになれば、データ処理の効率が格段に上がります。
08. まとめ:目的に応じて関数を使い分けよう
LEFT・MID・RIGHTの選び方
Excelで文字列の一部を取り出す際には、目的に応じてLEFT・MID・RIGHTを使い分けることが重要です。
- 先頭から取り出したい → LEFT
- 途中から取り出したい → MID
- 末尾から取り出したい → RIGHT
それぞれの関数の得意分野を理解することで、文字列操作が格段に楽になります。
作業を時短するためのコツ
文字列関数は、一度使い方を覚えてしまえば定型処理を一瞬で終わらせることができます。特に、複数の関数を組み合わせることで、より柔軟な処理が可能になります。
ポイントは、構造を観察する力と試行錯誤する姿勢です。まずは小さなデータで試して、慣れてから本番データに適用するとよいでしょう。
習得のポイントと練習課題
- まずはLEFT・MID・RIGHTの使い方を個別に練習する
- FIND・LENなどと組み合わせる方法も試してみる
- 自分の業務に当てはめた具体例で練習してみる
関数は「覚える」のではなく「使って慣れる」ものです。少しずつでも実務に取り入れて、自然に使いこなせるようになりましょう。