くまおやぢの雑記帳

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関数でエクセルが10倍速くなる|初心者〜中級者向け時短テク完全ガイド

第0章:Excel関数がもたらす“時短革命”とは

「毎日のルーチン作業に追われて、本当にやりたい仕事ができない……」
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。特にExcelでの作業は、データ入力や集計、整理など、細かい作業が積み重なりがちです。でも、その多くは“関数”を使うことでグッと短縮できるのです。

Excel関数というと、「難しそう」「使いこなせる気がしない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際にはほんの少しのコツと知識で、劇的に業務の効率が上がる可能性を秘めています。関数を上手に活用すれば、何時間もかかっていた作業が数分で終わることも珍しくありません。

このブログ記事では、そんなExcel関数の中でも特に“時短”に特化した15のテクニックをご紹介します。初心者でもすぐに使えるものから、少し応用が必要なものまで、実務で即役立つ内容を盛り込みました。

なぜExcel関数で時短できるのか?

Excel関数は「人が目で見て、手でやっていた処理」を「Excelに自動でやらせる」ための仕組みです。具体的には以下のような作業が効率化されます。

  • 条件ごとの分類や判断(IF関数など)
  • 大量データの検索や抽出(VLOOKUP、XLOOKUP)
  • 数値の集計や統計処理(SUMIFS、COUNTIFなど)
  • 日付や時間の自動計算(TODAY、WORKDAYなど)
  • 文字列の整形や一括変換(TEXT、LEFT、SUBSTITUTEなど)

これらを手作業で行うには、目視確認、コピー&ペースト、手計算などが必要です。しかし関数を用いれば、ボタンひとつで再計算が可能。たとえデータ量が増えても、関数を仕込んでおけば修正の手間が最小限で済みます。

Excel関数を使いこなすメリット

関数を使いこなせるようになると、単なる作業効率の向上にとどまらず、次のようなメリットが得られます。

  • ミスの削減:手入力ミスがなくなることで、正確なデータ管理が可能になります。
  • 再現性の確保:一度作った仕組みを何度でも使いまわせるので、標準化・テンプレート化がしやすいです。
  • 時間の創出:ルーチンワークを関数で自動化することで、考える仕事や企画業務に時間を割けるようになります。
  • チーム全体の効率化:関数ベースで作られたファイルは他人にも扱いやすく、属人化を防ぐことができます。

こんな人におすすめの記事です

  • Excelを日常的に使うビジネスパーソン
  • 関数の基礎はわかるけれど応用が苦手な方
  • 業務の効率化を図りたい方
  • 時短・自動化に興味がある方

「難しそう」と思っていたExcel関数が、「便利で手放せないツール」に変わる──この記事を通じて、そんな体験をしていただけるよう、実践的な内容をわかりやすく解説していきます。

それでは早速、基本から応用まで、Excel関数の時短テク選を順番に見ていきましょう!

第1章:まず覚えたい!作業効率が即アップする基本関数5選

Excel初心者でもすぐに効果を感じられる、ベーシックかつ超実用的な関数を5つご紹介します。これらをマスターするだけで、日々の業務が見違えるようにスムーズになるでしょう。

SUM関数:基本中の基本、合計はこれでOK

使い方

=SUM(範囲)

例:=SUM(B2:B10) → B2からB10までの合計を求める

時短ポイント

複数のセルを手作業で一つずつ足す必要がなくなります。データが増えても関数を変更せず自動対応。

AVERAGE関数:平均値を一瞬で算出

使い方

=AVERAGE(範囲)

例:=AVERAGE(C2:C20) → C列のデータの平均値を計算

時短ポイント

データのばらつきを素早く把握でき、報告資料作成時にも重宝します。

COUNT関数:データの数をカウント

使い方

=COUNT(範囲)

例:=COUNT(D2:D100) → 数値データの個数を数える

時短ポイント

項目数の確認や欠損値のチェックにも活用でき、チェック作業を短縮。

IF関数:条件によって表示を変える万能関数

使い方

=IF(条件, 真の場合, 偽の場合)

例:=IF(E2>=70, "合格", "不合格")

時短ポイント

評価・判断・分類など多くの場面で使用可能。手作業の判断ロジックを自動化できます。

CONCATENATE(またはTEXTJOIN):文字列をつなぐ

使い方(TEXTJOIN推奨)

=TEXTJOIN("区切り文字", TRUE, 範囲)

例:=TEXTJOIN("-", TRUE, A2:C2) → A2〜C2の値を「-」で結合

時短ポイント

複数セルの情報をまとめて表示する場面に便利。書類名や商品名の生成などにも活用できます。

第2章:プロはこう使う!応用関数で一歩進んだ時短を実現

基本関数を使いこなせるようになったら、次は応用編へステップアップしましょう。ここでは、実務でよく使われる中級レベルの関数を「時短テクニック」として紹介します。組み合わせて使うことで、より複雑な処理も簡潔にこなせるようになります。

IF関数 × AND/OR関数:複数条件で判断を自動化

使い方

=IF(AND(条件1, 条件2), "真の場合", "偽の場合")
=IF(OR(条件1, 条件2), "真の場合", "偽の場合")

例:=IF(AND(B2>70,C2="出席"),"合格","不合格")
→ 点数が70点超かつ出席していれば合格

時短ポイント

複雑な条件判断が1セルで済みます。人が頭で考える判断ロジックを自動で再現でき、確認作業が一気に短縮されます。

VLOOKUP関数:表形式データから素早く検索

使い方

=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 検索の型)

例:=VLOOKUP(A2, 商品一覧!A:D, 3, FALSE)
→ A2の値を基に、商品一覧表から3列目の情報を取得

時短ポイント

別シートや別ファイルの情報を一瞬で引っ張ってこられるため、転記や照合作業の手間を削減できます。

XLOOKUP関数:VLOOKUPの上位互換で柔軟性アップ

使い方

=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り値範囲, [見つからないとき], [一致モード], [検索モード])

例:=XLOOKUP(A2, 顧客リスト!A:A, 顧客リスト!C:C, "なし")
→ 顧客名からメールアドレスを取得、なければ「なし」と表示

時短ポイント

左方向への検索も可能で、VLOOKUPより柔軟。列を追加しても数式が壊れにくいというメリットもあり、ファイルの保守性が高まります。

SWITCH関数:複数の条件をシンプルに整理

使い方

=SWITCH(式, 値1, 結果1, 値2, 結果2, ..., [既定値])

例:=SWITCH(A2, 1, "新規", 2, "継続", 3, "中止", "未設定")
→ 数値に応じた状態名を自動で返す

時短ポイント

ネストされたIF関数より見やすく、修正もしやすいため、チームでの共有にも強い。

CHOOSE関数:選択肢に応じて値を返す柔軟関数

使い方

=CHOOSE(インデックス, 選択肢1, 選択肢2, ...)

例:=CHOOSE(A2, "営業部", "総務部", "開発部")
→ A2の値が1なら営業部、2なら総務部、3なら開発部

時短ポイント

リスト番号に対応した分類やカテゴリ名を一括変換でき、マスタ管理にも便利です。

これらの関数を活用すれば、より複雑な条件や検索処理も一発で行えるようになります。
次章では、文字列の整形や編集に役立つ「文字列関数」の時短テクニックをご紹介します。

第3章:置き換え・抽出・変換がサクッと!文字列処理系関数の時短術

文字列の整形や抽出、変換といった処理は、Excel業務において非常に多く発生します。名簿作成、商品コードの分解、住所の一括整形など、手作業で行うと手間のかかる作業も、文字列関数を使えば一瞬で完了します。ここでは、特に時短に直結する5つの関数を紹介します。

LEFT関数・RIGHT関数:文字列の先頭・末尾を抽出

使い方

=LEFT(文字列, 文字数)
=RIGHT(文字列, 文字数)

例:=LEFT(A2, 3) → A2の文字列の先頭3文字を取得
例:=RIGHT(B2, 4) → B2の文字列の末尾4文字を取得

時短ポイント

商品コードの部門記号だけ抜き出したり、電話番号の下4桁だけを取得したりと、部分的な情報抽出に便利です。

MID関数:任意の位置から文字列を取り出す

使い方

=MID(文字列, 開始位置, 文字数)

例:=MID(C2, 2, 5) → C2の文字列の2文字目から5文字を抽出

時短ポイント

文字列の中間部分を柔軟に取り出せるため、形式が決まっているIDやコードなどの分解に役立ちます。

LEN関数:文字数のカウントでチェック作業を効率化

使い方

=LEN(文字列)

例:=LEN(D2) → D2の文字列の文字数を取得

時短ポイント

郵便番号や電話番号の桁数チェック、入力漏れの検出などに活用でき、データの整合性確認を自動化できます。

SUBSTITUTE関数:文字列の一部を置換

使い方

=SUBSTITUTE(文字列, 検索文字列, 置換文字列, [置換対象の出現回数])

例:=SUBSTITUTE(E2, "-", "/") → E2内の「-」を「/」に置換

時短ポイント

形式統一や表記ゆれの修正に便利。日付や記号の形式変換を一括で行うことができます。

TEXT関数:数値や日付を指定フォーマットで文字列に変換

使い方

=TEXT(値, "表示形式")

例:=TEXT(TODAY(), "yyyy/mm/dd") → 今日の日付を「2025/04/03」のように表示

時短ポイント

見やすいフォーマットで表示したいときに便利。書式設定を変える手間を省き、印刷用・報告用の体裁整えにも使えます。

これらの文字列関数を使えば、フォーマット整形・情報抽出・チェック作業が飛躍的にスピードアップします。次章では、集計や分析に便利な「集計系関数」の活用法をご紹介します。

第4章:面倒な集計も一発!集計・分析系関数の効率活用法

レポート作成やデータ分析業務では、数値の集計や条件別の分析が欠かせません。ここでは、そんな「集計」に特化したExcel関数の中から、作業効率を劇的にアップさせる代表的なものを5つ紹介します。手作業でのフィルタや手計算を卒業しましょう。

SUMIF/SUMIFS関数:条件に合致したデータだけを合計

使い方

=SUMIF(範囲, 条件, 合計範囲)
=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, ...)

例:=SUMIF(A2:A10, "営業部", C2:C10)
例:=SUMIFS(D2:D10, A2:A10, "営業部", B2:B10, "4月")

時短ポイント

条件に応じた合計を自動化できるので、部門別・月別など複雑な集計も一発で可能です。

COUNTIF/COUNTIFS関数:条件付きカウントで傾向を把握

使い方

=COUNTIF(範囲, 条件)
=COUNTIFS(範囲1, 条件1, 範囲2, 条件2, ...)

例:=COUNTIF(B2:B100, "完了")
例:=COUNTIFS(A2:A100, "営業部", C2:C100, ">100")

時短ポイント

「何件該当するか」がすぐにわかるので、進捗管理や予実比較に最適です。

SUBTOTAL関数:フィルター後も正しく集計

使い方

=SUBTOTAL(集計方法番号, 範囲)

例:=SUBTOTAL(9, D2:D100) ※9はSUMの意味

時短ポイント

オートフィルターで絞った後も正しい数値を集計できるので、集計表の作成に便利です。

AGGREGATE関数:SUBTOTALの進化版で複数機能に対応

使い方

=AGGREGATE(関数番号, オプション, 範囲)

例:=AGGREGATE(9, 5, D2:D100) → 非表示行を除いて合計

時短ポイント

SUBTOTALでは対応しきれない計算やエラー処理も可能。データ分析の柔軟性が大幅アップします。

UNIQUE関数+COUNTA関数:重複のないリストと件数を取得

使い方

=UNIQUE(範囲)
=COUNTA(UNIQUE(範囲))

例:=UNIQUE(A2:A100) → 重複を除いた一覧を取得
例:=COUNTA(UNIQUE(B2:B100)) → 一意の値の個数を数える

時短ポイント

名簿や分類一覧の作成が一瞬で完了。さらに件数も合わせて出せるため、報告書やグラフの元データ作成にも最適です。

これらの関数を使いこなすことで、「集計作業は面倒」「数が多くて大変」といった悩みはグッと軽減されます。次は条件に応じて処理内容を変える「IF関数の応用テクニック」をご紹介します。

第5章:条件分岐で自動処理!IF関数の応用&組み合わせ技

Excel関数の中でも特に活用頻度が高い「IF関数」。基本的な使い方に慣れたら、次はANDやOR、IFSなどとの組み合わせ技を覚えることで、より複雑な条件分岐を自動処理できるようになります。ここでは、実務で役立つIF関数の応用テクニックを紹介します。

IF × AND / OR:複数条件で判断ロジックを構築

使い方

=IF(AND(条件1, 条件2), "真", "偽")
=IF(OR(条件1, 条件2), "真", "偽")

例:=IF(AND(B2>=80, C2="出席"), "合格", "不合格")
→ 点数が80以上かつ出席していれば「合格」

時短ポイント

人が目で見て判断していた作業を数式化することで、確認・分類作業を自動化できます。

IFS関数:入れ子のIFより見やすくシンプルに

使い方

=IFS(条件1, 結果1, 条件2, 結果2, ...)

例:
=IFS(B2>=90, "S", B2>=80, "A", B2>=70, "B", B2<70, "C")

時短ポイント

複数のIFをネストせずに書けるため、複雑な評価やランク分けの処理が簡潔になります。

IFERROR関数と組み合わせてエラー処理を自動化

使い方

=IFERROR(式, エラー時の表示)

例:=IFERROR(VLOOKUP(A2, 顧客一覧!A:C, 2, FALSE), "未登録")

時短ポイント

参照先にデータがない場合などのエラーを自動で処理し、エラー対応やチェック作業の手間を削減できます。

IF関数 × TEXT関数で条件に応じて出力形式を変更

使い方

=IF(条件, TEXT(値, "表示形式"), "—")

例:=IF(B2>0, TEXT(B2, "0.00%"), "—")
→ 数値があればパーセント表示、なければ空白に

時短ポイント

見やすいフォーマットを条件に応じて出し分けられるため、レポート資料の整形作業が軽減されます。

IF関数とネストで高度なロジックを構築

使い方

=IF(条件1, 結果1, IF(条件2, 結果2, 結果3))

例:=IF(A2="営業", "外勤", IF(A2="経理", "内勤", "その他"))

時短ポイント

部門別、商品分類別などのフロー分岐を1セルで処理できるため、分類表やマスタ作成が格段に楽になります。

IF関数の応用を習得することで、Excel上の“判断処理”を自動化し、ルールに沿った一貫性ある処理が実現できます。次章では、検索関数の定番「VLOOKUP」「XLOOKUP」の時短テクを比較しながら紹介します。

第6章:表検索を最速で!VLOOKUPとXLOOKUPの活用比較

Excel業務で頻出する「表から情報を探してくる」作業。これを高速かつ正確にこなすには、VLOOKUPやXLOOKUPなどの検索関数が欠かせません。この章では、両者の特徴と違いを整理しつつ、時短につながる実践的な使い方を解説します。

VLOOKUP関数の基本と注意点

使い方

=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, [検索の型])

例:=VLOOKUP(A2, 顧客一覧!A:D, 3, FALSE)
→ A2の値を検索し、範囲の3列目の値を返す

時短ポイント

  • 簡単に使える反面、「検索列は一番左に限定」「左方向の参照ができない」などの制約があります。
  • 列を挿入すると参照列番号がズレるため、メンテナンス性は低め。

XLOOKUP関数の登場で検索革命!

使い方

=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り値範囲, [見つからないときの値], [一致モード], [検索モード])

例:=XLOOKUP(A2, 商品一覧!A:A, 商品一覧!C:C, "該当なし")

時短ポイント

  • 左方向検索や柔軟な一致設定が可能。
  • 列を追加しても壊れない構造で、保守性抜群。
  • 「見つからないときの値」も設定できるので、IFERRORの組み合わせが不要な場面も。

どっちを使えばいい?VLOOKUP vs XLOOKUP 比較早見表

比較項目 VLOOKUP XLOOKUP
左方向検索 ❌ 不可 ✅ 可能
挿入列で数式が壊れる ✅ 壊れる ❌ 壊れにくい
見つからない場合の処理 IFERRORで対応 内蔵で対応可能
一致モードの設定 あいまい/完全一致選択が必要 柔軟に指定可能
対応バージョン 古いバージョンも対応 Office365以降(最新Excel)推奨

裏技:VLOOKUPを安定化させるMATCHとの組み合わせ

使い方

=VLOOKUP(検索値, 範囲, MATCH(列名, 見出し行, 0), FALSE)

→ 列番号の代わりにMATCHを使うことで、列構成変更に強くなる

時短ポイント

列を追加・削除しても列番号の自動取得が可能になるため、ファイルが長期的に安定運用できます。

検索関数は「探す作業」にかかる時間を大幅に削減してくれる強力な武器です。特にXLOOKUPは今後のスタンダードとなる関数。これを機にVLOOKUPからの移行も検討してみましょう。

次章では、知る人ぞ知る便利関数や時短裏技を紹介します!

第7章:これぞ裏技!知って得する時短関数テクニック集

Excelには、知っているだけで作業がグッと楽になる“裏技的関数”が存在します。ここではあまり知られていないけれど、活用すれば劇的に時短につながるテクニックを厳選してご紹介します。

INDEX関数 × MATCH関数:柔軟な検索を実現する最強コンビ

使い方

=INDEX(戻り値範囲, MATCH(検索値, 検索範囲, 0))

例:=INDEX(C2:C10, MATCH("田中", A2:A10, 0))
→ A列で「田中」を検索し、同じ行のC列の値を返す

時短ポイント

VLOOKUPのように列の位置制約がなく、行列どちらにも対応。データ構造が複雑な表で特に威力を発揮します。

INDIRECT関数:セル参照を動的にコントロール

使い方

=INDIRECT(文字列で指定したセル参照)

例:=INDIRECT("B" & A2)
→ A2に「3」と入っていれば、B3セルを参照

時短ポイント

他シートや複数条件による参照先の自動切り替えができ、ダッシュボードなどの設計に最適です。

TEXTJOIN関数:条件付きで文字列を結合

使い方(フィルタ+TEXTJOINの組み合わせ)

=TEXTJOIN(", ", TRUE, IF(A2:A10="完了", B2:B10, ""))

※配列数式(Ctrl + Shift + Enter)または最新Excelでは通常入力可

時短ポイント

「完了した項目だけをまとめて表示」など、条件を満たすデータの一覧を作成する際に非常に便利です。

SEQUENCE関数:連番や日付の自動生成

使い方

=SEQUENCE(行数, 列数, 開始値, 増加値)

例:=SEQUENCE(10, 1, 1, 1) → 1〜10の縦の連番を生成

時短ポイント

連番入力や定期データ(日付など)の生成が一瞬で完了。コピペやオートフィル不要になります。

FILTER関数:条件に合ったデータだけを抽出

使い方

=FILTER(範囲, 条件)

例:=FILTER(A2:C100, C2:C100="完了")
→ C列が「完了」の行のみ抽出

時短ポイント

フィルター機能を手動で使う必要がなくなり、必要なデータだけを即表示。別シートに動的な一覧を作るのにも最適です。

これらの関数は、まさに「使いこなすとプロっぽい」裏技的な存在です。覚えることでExcelの可能性が一気に広がり、定型作業を劇的に効率化できます。

次は「エラー処理」に役立つ関数テクニックをご紹介します。

第8章:エラー回避で手戻りゼロ!IFERRORやIS系関数の活用術

Excelで関数を使っていて、「#N/A」「#DIV/0!」「#VALUE!」といったエラー表示に戸惑った経験はありませんか?こうしたエラーは、表示が乱れるだけでなく、他の関数やグラフにも悪影響を与えることがあります。そこで活躍するのが、エラー処理に特化した関数たちです。ここでは、手戻りを防ぎ、スムーズな作業を実現するエラー対策関数を紹介します。

IFERROR関数:エラーを指定の値に置き換え

使い方

=IFERROR(式, エラー時の表示値)

例:=IFERROR(VLOOKUP(A2, 商品一覧!A:C, 3, FALSE), "該当なし")

時短ポイント

関数でエラーが発生しても「該当なし」などの任意の表示に置き換えることで、見栄えが整い、報告書や印刷物にもそのまま使えます。

ISERROR関数:エラーかどうかを判定

使い方

=ISERROR(式)

例:=ISERROR(D2) → D2がエラーならTRUEを返す

時短ポイント

エラーの有無を条件にして処理を変えることが可能。IF関数と組み合わせて柔軟なロジックが組めます。

ISNA関数:#N/Aエラーだけを判定

使い方

=ISNA(式)

例:=ISNA(VLOOKUP(A2, 顧客一覧!A:C, 2, FALSE))

時短ポイント

「見つからない」という#N/Aだけを特定して処理したいときに便利。データ未登録や未対応リストなどを抽出する際に役立ちます。

ERROR.TYPE関数:エラーの種類を識別

使い方

=ERROR.TYPE(セル)

例:=ERROR.TYPE(B2) → エラーの種類に応じた数値を返す(例:#DIV/0!なら2)

時短ポイント

どんなエラーが起きているかを判別し、ログを作ったり、対策を分類したりする際に重宝します。

NA関数:意図的に#N/Aを返す

使い方

=NA()

時短ポイント

「まだデータが入らない」「あえて空白にしたいがエラーと区別したい」場合に使用。グラフでその値を飛ばしたいときにも活用されます。


エラー処理関数を使いこなすことで、見た目の整った表を保ちつつ、エラー発生時の混乱を未然に防ぐことができます。次章では、日付・時間に関する作業を効率化する関数群をご紹介します。

第9章:日付・時間を自在に操る!日付関数でスケジュール管理も効率化

Excelでは、日付や時間の管理もよくある作業のひとつです。手動で入力・計算していると非効率なだけでなく、ミスも増えやすくなります。ここでは、日付や時間を扱う作業をスマートに効率化する関数を紹介します。

TODAY関数:今日の日付を自動表示

使い方

=TODAY()

時短ポイント

毎日更新される「今日の日付」を自動で取得できます。期限管理や日報・月報の作成に便利です。

NOW関数:現在の日付と時刻を取得

使い方

=NOW()

時短ポイント

日時を自動で記録できるため、ログ記録や操作履歴などの仕組みにも活用可能。分単位での確認もできます。

DATEDIF関数:2つの日付の差を求める

使い方

=DATEDIF(開始日, 終了日, 単位)

例:=DATEDIF(A2, B2, "d") → A2とB2の日数差を表示
単位:"d"(日数)/"m"(月数)/"y"(年数)

時短ポイント

経過日数・在籍年数・契約期間などを正確かつ自動で計算でき、管理表や履歴書作成が効率化されます。

WORKDAY関数:営業日ベースで日付を計算

使い方

=WORKDAY(開始日, 日数, [祝日])

例:=WORKDAY(TODAY(), 5) → 今日から5営業日後の日付を表示

時短ポイント

土日や祝日を除いた日付計算が自動化できるため、納期計算やスケジュール作成に最適です。

TEXT関数 × 日付:形式を整えて見やすく表示

使い方

=TEXT(日付, "表示形式")

例:=TEXT(TODAY(), "yyyy年mm月dd日") → 「2025年04月03日」と表示

時短ポイント

見た目を整えて報告書や印刷用に適した日付表示が可能。フォーマット変更も一括で対応できます。

日付・時間系関数は、業務の進捗管理やスケジュール調整を自動化し、正確性とスピードを両立させるうえで欠かせません。次章では、フィルターや並べ替えと関数を組み合わせた効率化テクニックをご紹介します。

第10章:フィルター&並べ替えと関数の連携で集計作業をもっと効率的に

Excelの「フィルター」や「並べ替え」は、データ分析や整理の基本機能です。これらの操作に関数を組み合わせることで、作業の効率がさらにアップします。ここでは、フィルターや並べ替えと相性のよい関数とその使い方を紹介します。

SUBTOTAL関数:フィルター後も正しい集計が可能

使い方

=SUBTOTAL(集計方法番号, 範囲)

例:=SUBTOTAL(9, C2:C100)
(9はSUM、1ならAVERAGE、2ならCOUNT)

時短ポイント

オートフィルターでデータを絞っても、表示されたデータだけを正確に集計できるので、レポート作成に最適です。

AGGREGATE関数:さらに柔軟な集計を実現

使い方

=AGGREGATE(関数番号, オプション, 範囲)

例:=AGGREGATE(9, 5, C2:C100)
→ 非表示行・エラーを無視して合計を計算

時短ポイント

SUBTOTALでは対応できない集計やエラー処理も可能。大規模データを扱う場合に特に役立ちます。

FILTER関数 × 関数連携:必要なデータだけを抽出&加工

使い方

=FILTER(範囲, 条件)

例:=SUM(FILTER(D2:D100, B2:B100="営業部"))
→ 営業部の売上合計を抽出して合計

時短ポイント

条件に合致するデータだけを抽出し、すぐに分析や集計に活用可能。複数の処理を一括で行えます。

SORT関数:データを自動で並べ替え

使い方

=SORT(範囲, 並べ替え列, 昇順/降順)

例:=SORT(A2:C100, 3, FALSE)
→ 3列目(C列)を基準に降順で並べ替え

時短ポイント

手動で並べ替える必要がなくなり、ダッシュボードや自動レポートに使えます。

UNIQUE関数:重複なしの一覧を即生成

使い方

=UNIQUE(範囲)

例:=UNIQUE(B2:B100)
→ 重複を除いた部署名や担当者名などを取得

時短ポイント

リスト作成やピボット集計の前処理として活躍。動的な一覧が自動で生成され、メンテナンス不要に。

これらの関数とフィルター・並べ替え機能を組み合わせることで、複雑な集計やレポート作成もスムーズになります。次章では、「関数だけでここまで自動化できる!」という実例を紹介します。

第11章:マクロより手軽!関数だけで自動化できるパターン集

「自動化」というとマクロやVBAを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は関数だけでも“ちょっとした自動化”は十分に実現可能です。ここでは、関数のみで繰り返し作業や手間のかかる処理を自動化するパターンをいくつか紹介します。

日付に連動するレポート更新

=IF(TODAY()=A2, "更新日", "")

時短ポイント

今日の日付に応じて自動でラベルを変えるなど、レポートの更新確認が不要に。日次レポートのテンプレート化に最適。

入力漏れをリアルタイムで警告

=IF(B2="", "未入力", "")

時短ポイント

重要項目の入力漏れを自動検出し、わざわざ確認作業をしなくても一目でわかるようになります。

ステータス別に色分け(条件付き書式と組み合わせ)

関数設定例(条件付き書式に使用)

=B2="完了"

→ 「完了」の行に自動で緑色を付ける

時短ポイント

関数を条件付き書式と組み合わせることで、作業ステータスの可視化やチェック作業の自動化が可能に。

自動的に分類を判定・表示

=IF(C2>100000, "大口顧客", "通常")

時短ポイント

金額や数量などの閾値に応じて分類を自動表示。営業・販売・在庫管理で使える仕分けロジックを関数化できます。

データが入力されたら自動で連番を生成

=IF(B2<>"", ROW()-1, "")

※表の2行目から始める例

時短ポイント

手入力不要の連番生成で、入力と同時に番号付け。申請番号や整理番号の自動付与が可能です。

このように、関数だけでも「入力チェック」「分類」「日付管理」などの自動化が実現可能です。
マクロに頼らず、誰でも使える“ライトな自動化”を実現したいなら、まずはこれらの関数を活用してみましょう!

次章では、職種別におすすめの関数活用例を紹介します。

第12章:実務別!こんな場面でこの関数が効く

Excelの関数は、業種や職種ごとに使いどころが異なります。ここでは「営業」「経理」「人事」「マーケティング」「在庫管理」などの実務シーン別に、特に効果を発揮する関数とその活用例をご紹介します。

営業職向け:売上管理・顧客管理に活用

  • 使える関数:SUMIFS、COUNTIFS、IF、VLOOKUP、TEXT
  • 活用例
    • 月別・担当者別の売上集計 → =SUMIFS(売上範囲, 担当範囲, "田中", 月範囲, "4月")
    • 顧客情報の検索 → =VLOOKUP(顧客名, 顧客マスタ, 列番号, FALSE)
    • 契約状況に応じた判定表示 → =IF(契約金額>1000000, "VIP", "通常")

時短ポイント

営業報告資料や日報の自動化により、事務処理時間を大幅に削減。

経理・会計職向け:仕訳や金額チェックを効率化

  • 使える関数:IF、SUMIF、ROUND、TEXT、ISERROR
  • 活用例
    • 勘定科目ごとの金額集計 → =SUMIF(科目範囲, "旅費交通費", 金額範囲)
    • 金額の四捨五入 → =ROUND(B2, -3)(千円単位に丸める)
    • データ不整合の検出 → =IF(ISERROR(VLOOKUP(…)), "未登録", "")

時短ポイント

仕訳チェック・帳票作成・レポート出力のミス防止と自動処理に最適。

人事・労務向け:勤怠・従業員管理に便利

  • 使える関数:DATEDIF、IF、COUNTIF、WORKDAY、TEXT
  • 活用例
    • 勤続年数の計算 → =DATEDIF(入社日, TODAY(), "y")
    • 欠勤回数の集計 → =COUNTIF(出勤欄, "欠勤")
    • 退職予定日の自動計算 → =WORKDAY(申請日, 30)

時短ポイント

人事評価やシフト管理、申請対応の自動化に活用できます。

マーケティング・分析業務向け:データ集計と可視化

  • 使える関数:UNIQUE、FILTER、SORT、AVERAGEIFS、TEXTJOIN
  • 活用例
    • キャンペーン別成果集計 → =SUMIFS(売上, キャンペーン列, "A")
    • フィルター付きグラフデータ抽出 → =FILTER(データ範囲, 条件)
    • ハッシュタグやキーワードの一覧表示 → =TEXTJOIN(", ", TRUE, UNIQUE(列範囲))

時短ポイント

データ分析の準備やグラフ作成における加工処理の負担を軽減します。

在庫・物流管理向け:数量管理・補充判断に応用

  • 使える関数:IF、MIN、MAX、VLOOKUP、CONCATENATE
  • 活用例
    • 在庫切れチェック → =IF(在庫数<=0, "要補充", "")
    • 入庫日最短商品の抽出 → =MIN(入庫日範囲)
    • 商品名+型番の一括表示 → =CONCATENATE(商品名, "-", 型番)

時短ポイント

在庫異常の早期発見や発注判断の自動化が可能になります。

関数の使い方を「仕事別」に落とし込むことで、実践的かつ即戦力としての活用が可能になります。
次章では、よくある関数トラブルとその回避方法を解説します。

第13章:よくあるミス&トラブルとその回避法

Excel関数は便利な一方で、ちょっとしたミスが大きな混乱や手戻りにつながることもあります。ここでは、関数を使う上でありがちなトラブルと、それを未然に防ぐための対処法をご紹介します。

絶対参照と相対参照の使い分けミス

よくあるミス

  • コピーしたとたんに数式の参照先がズレる
  • 「$」記号を忘れて意図しない計算結果に

回避法

  • 参照を固定したいセルには $A$1 のように絶対参照を使用
  • F4キーを活用して、相対/絶対を素早く切り替えるクセをつけましょう

データ型の不一致

よくあるミス

  • 日付や数値が文字列扱いされて関数が正しく動作しない
  • VLOOKUPやMATCHで一致しない原因が「スペース」や「全角/半角」

回避法

  • ISTEXTISNUMBER を使ってデータ型をチェック
  • TRIM 関数で余計な空白を削除し、CLEAN で制御文字を除去する

関数のネストが深すぎて混乱

よくあるミス

  • 複数のIF関数をネストしすぎて読めなくなる
  • エラー発生時の原因特定が困難になる

回避法

  • 複雑なロジックは IFS関数SWITCH関数 を活用して整理
  • 数式を分割して段階的に作成 → 動作確認 → 統合が安全です

セル範囲のズレ

よくあるミス

  • 集計対象の行や列が途中で変わり、意図しないデータを含んでしまう
  • コピー&ペーストで関数の参照が崩れる

回避法

  • 名前付き範囲(例:売上_範囲)を活用すると可読性&メンテ性が向上
  • テーブル機能(Ctrl+T)で動的に範囲を自動調整するのもおすすめ

エラー処理を忘れて集計やグラフが壊れる

よくあるミス

  • ’#N/Aや#DIV/0!などのエラーで関数が止まる
  • グラフやピボットテーブルに反映できなくなる

回避法

  • IFERRORIFNA を使ってエラー時の表示をコントロール
  • 「空白」や「0」を表示させることで、表や出力が安定します

関数は一度ミスすると他のセルや集計結果にも影響を及ぼしがちです。
「壊れにくい数式」「他人にも伝わる数式」を意識して作ることが、業務効率だけでなく信頼性アップにもつながります。

次章では、学んだ関数を活かして“時短マスター”になるためのまとめを行います。

第14章:まとめ_関数を味方につけて“時短マスター”になろう

ここまでご紹介してきたExcel関数の時短テクニック15選、いかがでしたか?
関数を使いこなすことで、日々のルーチン作業を効率化し、本当に集中すべき業務に時間を使えるようになります。

本記事で紹介した主なポイント

  • 基本関数(SUM、IF、VLOOKUPなど)で作業の土台を固める
  • 応用関数(XLOOKUP、INDEX+MATCH、FILTERなど)で柔軟性を高める
  • 条件付きの判断・分類を自動化し、属人化を防止
  • エラー処理や入力チェックを仕込むことで品質向上
  • 実務ごとに関数を使い分けることで、効果を最大化

“時短マスター”への第一歩は、1つの関数から

すべてを一度に覚える必要はありません。
まずは「これは便利そう!」と思った1つの関数から、今日の業務で試してみることが何より大切です。習得のコツは以下のとおり

  • よく使うファイルに関数を入れてみる
  • エラーが出ても怖がらずにトライ&エラー
  • ショートカットキーや関数の自動補完機能を活用
  • 作った数式の意味を「言葉で説明できる」ようにする

さらに学びを深めたい方へ

もし関数に慣れてきたら、次のステップとして以下もおすすめです

  • 関数+テーブル機能(Ctrl+T)で動的データ管理
  • ピボットテーブルとの併用で高度な分析も可能
  • Power Queryで前処理の自動化へ進む
  • VBAやマクロで本格的な自動化も視野に!

Excel関数は、ただの「計算ツール」ではなく、ビジネスの生産性を飛躍的に高める“武器”です。
あなたの業務がより快適に、そしてスマートになりますように。ぜひ今日から、関数を味方につけて「時短マスター」への道を歩んでみてください!