くまおやぢの雑記帳

人生は、やろうと思った瞬間がスタートライン。Excel・Access・ガジェット・スマホ関係のネタを綴っています。あなたの「できる」を応援します。

エクセルが重い?軽くする処理10選&今日からできる3つの習慣

1.なぜExcelファイルは重くなるのか?

Excelを使っていて「開くのに時間がかかる」「保存が遅い」「動作がカクつく」…そんな経験ありませんか?
実は、Excelファイルが重くなるのにはいくつか典型的な原因があります。
この章では、代表的な5つの原因について、初心者にもわかりやすく解説していきます。

Excelが重くなる典型的な原因とは?

データ量の多さ

最もわかりやすい原因は、データの量が多すぎることです。
たとえば何万行にも及ぶデータベースや、数百列に渡る一覧表などは、見た目以上にパソコンに負荷がかかります。

特に、1つのシートに大量のデータを詰め込みすぎている場合や、複数シートにわたって似たようなデータが重複している場合は、読み込みや計算処理に時間がかかります。

画像やオブジェクトの多用

表に視覚的な補助を加えるために、画像、アイコン、図形、SmartArtなどを挿入するケースは多いですが、これらもファイルサイズを大きくし、動作を重くする要因になります。

特に注意したいのが、「貼り付け方」です。Webサイトなどからコピーして貼ると、高解像度の画像が埋め込まれたり、無駄に大きなオブジェクトが挿入されてしまうこともあります。

数式や関数の複雑さ

Excelの大きな魅力である「関数」も、使い方によってはファイルの重さの原因になります。
特に以下のような関数には注意が必要です:

  • VLOOKUP / XLOOKUP の大量使用
  • SUMIF / COUNTIF の複数条件指定
  • INDIRECT / OFFSET などの揮発性関数(再計算が頻繁)

シート内でこれらを繰り返し使っていると、開くたびに全て再計算され、動作が重くなります。

不要な書式設定・条件付き書式

見た目を整えるためのセルの書式設定や条件付き書式も、積み重なると動作の負荷になります。

  • フォントや色の細かい設定
  • セル範囲全体に条件付き書式を設定
  • 実際には使っていない書式が残っている場合

「ちょっと色を変えただけ」と思っていても、Excelはそれを1つ1つ処理対象として扱うため、気づかぬうちに重くなっていることがあります。

マクロやVBAの影響

業務の自動化やデータ処理に便利なマクロ(VBA)も、内容によってはファイルを重くする要素になります。
特に以下のようなケースでは注意が必要です:

  • 古いマクロコードがそのまま残っている
  • 自動実行のマクロがファイルを開くたびに動作する
  • 無限ループやエラー処理のないコードがある

使用していないマクロが含まれている場合も、無駄にファイル容量を圧迫してしまいます。

ファイルの重さには「見えない原因」も多い!

一見すると「たいしたことない」と思えるような作業でも、積み重なることでExcelファイルはどんどん重くなっていきます。
特に、過去に作業したシートの名残や、自分では意識していない書式や関数の使い方が原因であることも多いです。

次の章では、実際にファイルを軽くするための具体的な処理方法10選をご紹介していきます!

2.重いExcelを軽くするための処理10選【基本編】

「なぜ重くなるのか?」がわかったら、次は具体的な対処法を知りたいですよね。
この章では、初心者でもすぐに実践できる「基本的な軽量化処理」を10個ご紹介します。
1つずつ実践するだけで、驚くほどファイルが軽くなることもあるので、ぜひチェックしてみてください。

①不要なシート・データの削除

見えないところに残った古いデータに注意

ファイルの中には、もう使っていないシートや古いデータが残っていることがあります。
たとえば以下のようなケースは要注意です:

  • 一時的に使っていたコピー用シート
  • 以前の月次データや古い集計表
  • 非表示になっていて気づいていないシート

これらは目に見えなくても、確実にファイル容量を圧迫します。
Ctrl + PageUp/PageDownでシートを見回しながら不要なものを見直すのがおすすめです。

また、スクロールバーが異常に長い場合、見えない範囲に余分なデータが残っている可能性があります。
「Ctrl + End」で最後のセルを確認し、不要な範囲を削除するだけでサイズが大きく変わることも!

②条件付き書式の見直し

セル全体に設定しないのがコツ

「条件付き書式」はとても便利な機能ですが、設定範囲が広すぎると処理が重くなります。

たとえば、
- A1:Z10000 のように広範囲に色やアイコンルールを設定
- 実際に使っているのは100行程度なのに全列に適用

こうしたケースは動作が遅くなる原因の代表例です。

条件付き書式は、「ホーム」タブ →「条件付き書式」→「ルールの管理」で設定範囲を見直しましょう。
使っていないルールや不要な設定があれば、削除するだけで軽量化効果があります。

③使用していない名前定義の削除

「名前の管理」で簡単にチェック可能

Excelでは、セルや範囲に名前をつけて管理する「名前定義」という機能があります。
便利ですが、使わなくなった名前が残っているとファイルが重くなる原因になります。

チェック方法はとても簡単です。

  1. 「数式」タブ →「名前の管理」をクリック
  2. 一覧から、参照先が#REF! になっていたり、意味のない名前を探す
  3. 不要な名前を選択し、削除

特に他人からもらったファイルや長期間運用しているファイルでは、何十個も不要な定義が残っていることも。
こまめに整理しておくと安心です。

④画像や図形の圧縮・削除

貼り付け方に注意(リンク vs 埋め込み)

報告書や資料を作る際に、画像を貼り付ける機会は多いですよね。
でも、この画像の取り扱い方次第で、ファイルサイズが大きく変わります。

以下の点に注意しましょう:

  • 画像を右クリック →「図の書式設定」→「図の圧縮」で軽量化できる
  • Webからコピーした画像は、無圧縮のまま貼り付けられている可能性あり
  • スクリーンショットなら、トリミング+圧縮で大幅に軽くなる

また、画像を「リンクとして挿入」することでファイルに埋め込まずに表示することもできます。
社内で共有するだけなら、この方法も有効です。

⑤テーブル化・ピボットテーブルの整理

動的範囲の使いすぎにも注意

Excelの「テーブル」や「ピボットテーブル」は便利ですが、使い方によってはファイルの動作を重くしてしまうこともあります。

たとえば、

  • 何重にもピボットテーブルを作っている
  • 集計元のテーブルが巨大すぎる
  • 使用していないピボットキャッシュが残っている

こうした状態のままだと、更新時や保存時に時間がかかる原因になります。
定期的に「不要なピボット」「古いテーブル」は削除し、使っていない集計は別ファイルに分けるのがおすすめです。

また、「Ctrl + T」で作成するテーブルも、無駄に範囲が広いと重くなるので、データ量に応じた適正サイズで管理しましょう。

ここまでが【基本編】の5つの処理です。
次の章では、さらに効果的な【中級編】の高速化テクニックをご紹介します!

3.さらに効く!Excel高速化テクニック【中級編】

基本編を実践してもまだ動作が重い…という場合は、ここで紹介する中級者向けの高速化テクニックを試してみましょう。
少し踏み込んだ操作になりますが、理解すればとても効果的です!

⑥数式の最適化と計算方法の見直し

揮発性関数の使用は最小限に

関数はExcelの要ですが、使い方によっては動作を大きく遅くすることも。
特に注意すべきなのが「揮発性関数」と呼ばれる関数たちです。

代表的な揮発性関数:

  • NOW()TODAY()
  • OFFSET()
  • INDIRECT()
  • RAND()RANDBETWEEN()

これらはブックの更新時にすべて再計算されるため、数が多いと動作がガクッと重くなります。
代替方法(例えば、INDEXやテーブル機能)を活用して、再計算回数を減らす工夫をしましょう。

⑦自動計算から手動計算への切り替え

特に大規模ファイルで効果的

大量の数式があるファイルでは、計算方法を「手動」に変更するだけで操作感が劇的に改善されることがあります。

設定手順

  1. 「数式」タブ →「計算方法の設定」
  2. 「自動」→「手動」に切り替える
  3. 必要なときだけ「F9」キーで計算実行

こうすることで、編集のたびに再計算が走るのを防止でき、作業がサクサク進むようになります。
作業が終わったら、自動に戻すことも忘れずに!

⑧ファイル形式を「.xls」→「.xlsx」や「.xlsb」に変更

バイナリ形式(.xlsb)は意外と軽い!

Excelファイルの拡張子によっても、動作スピードやファイル容量が変化します。
状況に応じて、形式を使い分けることでさらなる高速化が可能です。

各形式の使い分けと特徴

.xlsx:標準的なExcelワークブック形式(マクロなし)
  • 最適な場面:通常の作業ファイル、マクロ不要な帳票・資料
  • メリット
    • セキュリティリスクが低い(マクロ非対応)
    • 高い互換性、クラウドとも相性良し
  • デメリット
    • ファイルサイズがやや大きい
    • 処理速度は .xlsb に劣る
.xlsm:マクロ対応のExcelファイル形式
  • 最適な場面:マクロを使った自動化ツールや業務アプリ
  • メリット
    • マクロが使える
    • .xlsxと同じ構造で扱いやすい
  • デメリット
    • セキュリティ上の警告が出やすい
    • クラウドや社内ポリシーによっては制限される
.xlsb:バイナリ形式のExcelファイル
  • 最適な場面:大規模ファイルや、頻繁に開く業務用Excel
  • メリット
    • 圧縮されたバイナリ形式で高速かつ軽量
    • マクロも使用可能
  • デメリット
    • ファイルの構造が特殊で、外部アプリで扱いにくい
    • マクロ付きファイル同様、警告が出る場合がある

こんなふうに使い分けよう!

シーン 推奨形式
一般的な日報・共有資料 .xlsx
自動処理やマクロ使用時 .xlsm
巨大ファイル、高速処理重視 .xlsb

⑨不要なマクロ・VBAコードの削除

使っていないなら思い切って削除

ExcelファイルにマクロやVBAが含まれていると、それだけでファイルが重くなる要因になります。
特に以下のような状態になっているファイルは要注意:

  • 古いマクロがずっと残っている
  • 実際には使っていないコードがたくさんある
  • オープン時に自動で動く処理が組まれている

削除方法

  1. 「Alt + F11」でVBE(Visual Basic Editor)を開く
  2. 左側の「モジュール」などをチェックし、不要なコードを削除
  3. 必要に応じて、拡張子を.xlsxに戻す(マクロなし)

マクロを削除すると.xlsm.xlsxに保存し直すことができ、容量もぐっと減ります。

⑩外部リンク・参照の整理

見落としがちな重さの原因

意外と見落としがちなのが、「他のファイルへのリンク参照」です。
例えば

  • 他のExcelファイルからVLOOKUPしている
  • グラフや数式で他ファイルを参照している
  • もう存在しないファイルを参照している

こういった壊れたリンクや不要な参照があると、開くたびにエラー確認や再読み込みが発生し、処理が遅くなります。

チェック方法

  • 「データ」タブ →「リンクの編集」
  • 不要なリンクを削除、または値として置き換える

他ファイルへの依存を減らすことも、ファイル単体でのパフォーマンス向上につながります。

次の章では、ここまでの作業後にやっておきたい確認ポイントや、再発を防ぐための習慣についてご紹介していきます。

4.ファイル軽量化後のチェックポイント

実際にExcelの軽量化を行ったあと、「本当に軽くなったのか?」「効果はあったのか?」を確認することはとても重要です。
この章では、軽量化後にチェックすべきポイントと再発防止のコツを3つの視点からご紹介します。

ファイルサイズはどれくらい変わった?

処理の成果を一番実感しやすいのがファイルサイズの変化です。

チェック方法

  1. エクスプローラーでファイルを右クリック →「プロパティ」
  2. 「サイズ」と「ディスク上のサイズ」を確認
  3. 軽量化前と比較して何%減ったかチェック!

軽量化の効果が大きいと、数MB〜数十MBの削減ができることもあります。
数字で見えると達成感も得られますし、報告資料にも使えますね。

動作が軽くなったか体感してみよう

ファイルサイズだけでなく、実際の操作感にも注目しましょう。

体感できる改善ポイント

  • 開くスピードが早くなった
  • 保存時の「くるくる待ち時間」がなくなった
  • スクロールやフィルター操作がスムーズになった
  • 数式の再計算が遅れなくなった

Excelの動作はPC環境にも左右されますが、数式の見直しや画像圧縮は特に効果が出やすいです。

再発防止のために意識すべきこと

せっかく軽量化しても、またすぐ重くなっては意味がありません。
以下のポイントを意識して、日頃から「重くしない使い方」を心がけましょう。

軽さを保つための習慣

  • 定期的に不要なシートや名前定義を整理
  • 条件付き書式や関数は「範囲を最小限」に
  • データのコピー・貼り付けは「値貼り付け」でシンプルに
  • ピボットやマクロは必要最小限に
  • テンプレートを作成し、無駄な設定を繰り返さない

日常的に気をつけるだけで、ファイルは軽く・使いやすい状態を保ちやすくなります

軽量化は「一度きり」ではなく「習慣化」がカギ

Excelの軽量化は一度きりの作業で終わりではなく、定期的なメンテナンス使い方の見直しが重要です。
ファイルの快適さは、日々のちょっとした工夫で大きく変わります。

次の章では、この記事全体のまとめとして、今日から実践できる3つの習慣をご紹介します。

5.まとめ:エクセルを軽くして作業効率アップしよう!

ここまで、Excelが重くなる原因から、基本・中級テクニックによる軽量化、そしてチェックポイントまでを丁寧に解説してきました。

ファイルの重さは、「気づかないうちにたまった無駄」がほとんど。
逆に言えば、その無駄をひとつずつ取り除くだけで、Excelの快適さは見違えるほど向上します。

今日からできる3つの習慣

軽いExcelファイルを保つためには、日々の小さな工夫が大切です。
以下の3つを意識するだけでも、ファイルの重さに悩まされる回数はグッと減ります。

①「整理整頓」はExcelにも必要

  • 不要なシート、名前定義、条件付き書式はすぐに削除
  • 古くなったデータや参照を残さない

②「派手さよりシンプルさ」を重視

  • 過剰な書式設定や画像の貼りすぎに注意
  • 関数やマクロは本当に必要なものだけに絞る

③定期的に「メンテナンス日」を設ける

  • 月1回のメンテナンスでファイルを見直す
  • チームでテンプレートや運用ルールを共有するのも効果的

重くなる前に予防するのがプロのExcel使い!

Excelはただの表計算ソフトではなく、ビジネスを支える大事な「業務ツール」です。
だからこそ、効率よく、ストレスなく使える状態に保つことが成果にも直結します。

今回ご紹介したテクニックを活用して、あなたのExcel業務がよりスムーズになることを願っています!